マットレスが原因でシックハウス症候群になるってホント?
快適な睡眠のために欠かせない安眠の友・マットレス。
体圧分散で腰痛を防ぐ、寝返りのしやすさ、価格… etc.
選択にはさまざまな基準がありますが、「安全」に関してはそれほど重視しなくても大丈夫だと多くの人は思っているはず。
なのにそのマットレスからホルムアルデヒドなどの有害物質が出ていて、そのせいで体調不良になる人がいるという気になる噂が。
夜の間、体に一番近い部分に寄り添うマットレスのことだけに、このままでは不安でおちおち眠れません。
実際のところはどうなのか、真相を調べてみました。
シックハウス症候群とその原因
「シックハウス症候群」という言葉がよく使われるようになったのは、1990年代から。
くしゃみなどの鼻炎の症状や目のかゆみなどのアレルギー症状に加え、頭痛やぜんそくなどの症状が現れた際に、その原因が「家」にあると考えられるケースを広く総称する言葉です。
多くは室内で発生したカビ・ダニの死骸・チリ・ホコリ等に対するアレルギーと、建材・家具等から発生する化学物質との複合的な原因による体調不良と言われています。
特に問題視されているのが、「ホルムアルデヒド」や「クロルピリホス」などのVOC(Volatile Organic Compounds=揮発性有機化合物)による影響です。
これらの物質は水に溶かされて消毒剤や防腐剤になる他、さまざまな樹脂の原料となり、接着剤・塗料・食器・繊維の加工などさまざまな場面で利用されています。
家具や建材に使われたこれらVOCが蒸発して空気中に漂い、住む人の健康に悪影響を与えると考えられ、「シックハウス症候群」と呼ばれるようになりました。
マットレスからホルムアルデヒド?! ちょっと気になる素材の話
では、マットレスはどうでしょうか。 繊維の加工に使われているということならば、すべてのマットレスの表面のカバーにはVOCが使用されている可能性があるという事になってしまいます。
マットレスだけでなく、シーツや布団カバー、枕カバーなども気になる所ですよね。まさか、パジャマや普段着ている服にも…?!
実はそうなんです。ホルムアルデヒトは繊維の防しわや防縮のために使われることがあるし、染織にもVOCを使った加工があります。 つまり、私たちが普段来ている服や下着、使っているタオルなど、すべての繊維製品にはVOCが使われている可能性があるのです(あくまで「可能性」なので、すべての製品にVOCが使われている訳ではありません)。 そのための安全性を示す基準や認証マークもありますので、この下でご紹介します。
マットレスの中の素材を安全性で徹底検証
では次に、中の素材はどうでしょうか。
コイルタイプのマットレス(ボンネルコイルマットレス・ポケットコイルマットレス)は金属のスプリングなので除外します。
【コイルタイプ】
13層のやすらぎ・シーリー・シモンズ・サータ・ニトリ
ノンコイルタイプのマットレス(ウレタンマットレスなど)は、ウレタンなどの樹脂で作られたスポンジ(フォーム)が中材として使われています。
【ウレタンフォーム(ポリウレタン)】
モットン・ムアツふとん・AiRマットレス・トゥルースリーパー
マニフレックス・イオン〈ドルミール〉(マニフレックス「エリオセル」)
フレアベル(アキレス「ムマック」「中反発SUFRE反発フォーム」「瞬反発フォーム」)
テンピュール(ファゲダーラ「テンピュール」)
「マットレスにホルムアルデヒドが使われている」という噂の出どころは、ノンコイルタイプのマットレスに多く使われているウレタンフォーム(ポリウレタン)にありそうです。
ウレタンフォーム(ポリウレタン)は、焼却すると有毒な青酸(シアン)ガスが発生するため、廃棄の際に注意が必要になるからです。
但し、普通に使っているだけで健康に被害が出るという訳ではありません。
軟質ポリウレタンフォームの臭いの主成分は触媒として使用されている第3級アミン類です。~中略~ しかし、その濃度は非常に低いので、人体への影響はほとんどないと言えましょう。
【その他樹脂系素材】
ブレスエアー…ポリエステル系エラストマー(東洋紡「ブレスエアー」)
エアウィーヴ…ポリエチレン(「airfiber」)
トゥルースリーパーcero〈セロ〉…ナイロン(東洋紡「ナノブリッド」)・ポリエステル(帝人フロンティア「ファイバークッション」)
ポリエステル・ポリエチレン・ナイロンに関しては、VOCが使われている素材の代替品として使用される事もあり、VOCの心配はなさそうです。
但し、ポリエステル・ポリエチレンなどは熱に弱い性質があるため、これらを使った製品については取り扱いに注意が必要です。
また、これらを加工するには特殊な技術が必要になるため、素材そのものが高価になり、マットレスの価格を押し上げる場合があります。
より安心を求める人へ。繊維における安全基準
有害物質使用の有無をチェックするエコテックス
建材や家具での使用が問題視されるホルムアルデヒドですが、実は繊維製品にも防しわや防縮のために使われている事があります。
繊維製品について、ホルムアルデヒトや染織で使われる発ガン性物質「特定芳香族アミン」などの使用をチェックし、安全性を証明するものとしては、「エコテックス規格100」があります。
エコテックス認証
(一般財団法人ニッセンケン品質評価センター)
当サイトで紹介している商品としては、マニフレックスやイオン〈ドルミール〉に使われている「エリオセル」がエコテックス規格100の認定を受けています。
機能性繊維の効果と安全を保証するSEK
抗菌・消臭・防汚などさまざまな機能を持つ繊維について、表示通りの機能を正しく果たしているかをチェックすると同時に安全性についても検証。加工剤と製品の両面から確認し、認証しているのが製品認証マークSEKです。
製品認証マークSEK
(社団法人繊維評価技術協議会)
当サイトで紹介している商品としては、「13層のやすらぎマットレス」が中綿として使用しているテイジン「マイティトップII」が防ダニ・抗菌防臭の機能と安全性を備えた素材としてSEKマークを取得しています。
マットレス(ベッドマット)よりベッドに要注意! 木製家具の安全基準
どうやらマットレスに関しては、それほど神経質になる必要はなさそうです。これで枕を高くして眠れる…と思う前に、ベッドの方もチェックしてみましょう。
シックハウスの原因としてしばしば挙げられるのは、マットレスよりもベッドの方が多いからです。
ホルムアルデヒトはもともと、ベッドを含めた木製の家具などで、接着剤や防腐剤の材料として使われていました。
このベッドの安全性を確認する方法としては、JIS規格によって定められた「F」と「☆」の組み合わせがひとつの目安となります。
ホルムアルデヒドの放散量によって、「F☆」から「F☆☆☆☆」まで4段階で表記されています。
最も安全性が高い「F☆☆☆☆(エフ・フォースター)」の表記のついた商品を選ぶと安心ですね。
シックハウスとJISの関係って?
(日本工業標準調査会(JISC))
この他に、全日本ベッド工業会の定めた「衛生マットレス」「フレーム環境基準」の認定マークがあります。
当サイトで紹介している商品のメーカーとしてシーリー・シモンズが会員となっていて、高級ベッドメーカーを中心とした業界団体のようです。
高価な製品だけに、安全性も疎かにはされていないようですね。
BMAJ 全日本ベッド工業会
まとめ~よく眠れるマットレスで安心して眠ろう~
これまで見てきたことをまとめると以下のようになります。
・マットレスそのものから有害物質が出ている可能性は低い。
・どうしても心配な人は各種の認証マークをチェック。
・ウレタン素材のマットレスは廃棄する時に注意。
(焼却すると有毒ガスが発生するため、「燃えないゴミ」として廃棄)
・木製ベッドは有害物質に注意。安心の目印は「F☆☆☆☆(エフ・フォースター)」
これで安全性に関しては、安心して眠れそうですね。
あとはしっかり機能と使い勝手&寝心地の良さをチェックして、あなたの理想の高反発マットレスを見つけて下さい。
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