マットレスを選ぼうとしたときに、高反発、低反発、コイルタイプ、ウレタンタイプ、ベッド用、敷布団用、など種類が多すぎて選ぶのが難しいと思いませんか?
そんな人のために、ここでは、快適によく眠れるマットレスの選び方を紹介します。
まず、マットレスの役割とマットレスを選ぶための6つのポイントを説明し、その後、マットレスの種類などの基礎知識について解説します。
そして、「どこで使うのか?」「どんな人が使うのか?」などに基づいたマットレスの選び方を具体的に説明します。簡単にですが、介護ベッド用マットレスについても触れます。
さらに、マットレスの買い方やメンテナンス方法、身体に合わなかったときの対処法、寿命などについても解説します。
【目次】
- 1.マットレスを役割から選ぶ6つのポイント【硬さ、厚さ、通気性、耐久性、音・におい、予算】
- 2.マットレスの基礎知識
- 3.マットレスの種類
- 4.【どこで使う?】ベッドの種類でマットレスを選ぶ
- 5.【体型、性別、年齢など】寝る人のタイプでマットレスを選ぶ
- 6.【仰向け派?横寝派?うつぶせ派?】寝方でマットレスを選ぶ
- 7.マットレスの買い方
- 8.マットレスのメンテナンス方法
- 9.まとめ
マットレスを役割から選ぶ6つのポイント【硬さ、厚さ、通気性、耐久性、音・におい、予算】
私たちが健康な生活を送るために、睡眠は欠かせません。私たちは、睡眠によって、身体を休め、脳機能を整えています。
ですから、眠るときには、快適によく眠れることが大切です。
そして、快適によく眠るためには、寝床の外の環境と中の環境の両方を整えることが大切です。
寝床の外の環境については、寝室の温度、湿度、音、光(照明)、におい、などが重要です。
また、寝床の中の環境については、マットレス、掛け布団、枕、といった寝具が大事です。
ここでは、まず、快適によく眠れる環境を整えるためのマットレスの役割について紹介します。
続いて、マットレスを役割から選ぶ6つのポイント、
について解説します。
マットレスの役割とは?
e-ヘルスネットより
快適に眠るためのマットレスの役割というのは、
・身体に負担をかけない姿勢を保つこと
・適切な温度と湿度を保つこと
の二つです。
身体に負担をかけない姿勢、というのは、立っている時と同じ姿勢と言われています。
適切な温度と湿度というのは、厚生労働省のe-ヘルスネットによると、
・温度:33 ± 1℃
・湿度:50 ± 5 %
とされています
引用:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-003.html
ちょうど良い硬さ
「マットレスを選ぶときは、ちょうど良い硬さのマットレスを選びましょう」と言うのは簡単ですが、どうしたら「ちょうど良い硬さ」がわかるのでしょうか?
「ちょうど良い硬さ」というのは、
の3つで決まります。
正しい寝姿勢をキープできる硬さ
私たちが立っている時、背骨は首から胸にかけてと胸から腰にかけての2箇所で緩やかなS字カーブを描いています。
そして、体に負担がかからない寝姿勢というのは、立っている時と同じ姿勢です。
ですから、マットレスは、寝た時に、立っている時と同じように背骨がS字カーブを描けるように身体を支える硬さでなければいけません。
e-ヘルスネットより
柔らかすぎるマットレスも、硬すぎるマットレスも背骨が二つのS字カーブを描けなくなり、その結果、身体に負担がかかります。
残念なことに、誰にでもちょうど良い硬さというのはありません。寝る人の体格、体重、体型によって、ちょうど良い硬さは異なります。
大まかな目安として、体重の重い人は硬めのマットレス、軽い人は柔らかめのマットレスがちょうど良い、というのがあります。ただし、これはあくまでも目安です。
柔らかすぎるマットレスに寝ると、腰が沈みすぎると感じます。
硬すぎるマットレスに寝ると、骨に当たる感じがしたり、マットレスと腰の間に隙間ができたりします。
自分に合った硬さのマットレスを選ぶためには、お店やショールームに足を運び、色々なマットレスに寝てみることをオススメします。
寝返りが楽にできる反発力
私たちは、寝ている間に寝返りをうちます。
寝返りをうつことで、私たちは、寝床の中の温度や湿度を調節したり、身体の血流をよくしたり、しています。
ですから、寝返りは快適に眠るために必要な動きですし、寝返りが楽にできないと、よく眠れなくなります。
マットレスの反発力というのは、寝ている人の身体の体重を押し戻そうとする力のことです。この反発力に助けられて、楽に寝返りをうつことができます。
ただし、反発力についても、最適な反発力というのは人それぞれです。
大まかな目安は、体重の重い人は反発力が強いマットレス、体重の軽い人は反発力が弱いマットレス、となります。
例えば、体重の重い人が反発力の弱いマットレスに寝ると、反発力が体重に負けてしまって、寝返りが楽にできなくなります。
反対に、体重の軽い人が反発力の強いマットレスに寝ると、体重が反発力に負けてしまい、身体に痛みを感じたりします。
自分に合った反発力のマットレスを選ぶためには、お店やショールームでマットレスを試す時に、ただ仰向けに寝るだけでなく、左右に何度も向きを変えて、マットレスの反発力を実感してみてください。
体圧分散
(雲のやすらぎプレミアム公式ページより)
マットレスについて調べていると、よく体圧分散という言葉を目にします。
人は仰向けに寝ると、上の図のように、体重の44%の負荷が腰に、体重の33%の負荷が肩にかかります。体圧分散というのは、このように体の一部分に集中してかかる負荷を分散させることです。
体圧分散の良くないマットレスに寝ると、腰や肩に負担がかかって、快適に眠ることができません。
一般的に、柔らかいマットレスの方が体圧分散に優れていると言われています。
しかし、寝たときに腰が沈みすぎるような柔らかいマットレスでは、正しい寝姿勢がキープできませんし、寝返りも打ちにくくなります。
また、硬いマットレスにも体圧分散に優れているものが数多くあります。
ですから、マットレスの硬さと体圧分散は別のものと考えて選ぶことが大切です。
硬さや反発力は、店舗やショールームでマットレスを試してみることで、ある程度は実感できます。でも、体圧分散を体感するのは、極端に悪いものでない限り、難しいです。
選ぶポイントの一つは、マットレスの素材とマットレスの構造(凸凹加工など)です。
また、大手百貨店の寝具売り場や寝具店には、体圧分散測定器を置いているところもあります。この体圧分散測定器を使って、身体に合うマットレスを選ぶこともできます。
厚さ
マットレスを選ぶときは、マットレスの厚さにも注意して選んでください。
薄いマットレスは、寝ている人の身体をしっかりと支えることができません。
そして、薄いマットレスを使用し続けると、マットレスには常に負荷がかかり過ぎている状態なので、早くへたります。
特に、畳や床の上に敷いて使用する場合は、硬めの素材のマットレスなら最低でも8cm、柔らかめの素材のマットレスなら最低でも10cmの厚さが欲しいところです。そうでないと、底付き感が出て、快適に眠れません。
ベッド用のマットレスは、通常、厚いので、選ぶ時にはあまり心配はいらないでしょう。
通気性
私たちは、寝ている間にコップ1杯分(約200cc)の汗をかくと言われています。
それは、私たちの身体は、寝ている間に汗をかいて身体から熱を放出させて体温を下げるという仕組みになっているからです。こうすることで、深く眠ることができます。
ですから、寒い冬の時期でも、寝ている間に汗をかきます。
そうすると、マットレスには、私たちが寝ている間にかいた汗を吸収・放出できる通気性が必要です。
通気性が良くないマットレスに寝ると、寝ている間にかいた汗でマットレスが湿って蒸れるので、快適に眠ることができません。
その上、通気性の悪いマットレスは湿気のためにヘタリやすいです。
ですから、マットレスを選ぶときは、
・通気性の良い素材を使っているか
・通気性をよくする構造になっているか
という点に注意してください。
耐久性
耐久性というのは、マットレスのへたりにくさ、ということです。
まず最初に言っておくと、へたらないマットレスはありません。使用していくうちに必ずへたっていきます。
そして、マットレスの耐久性は、使用状況や使用環境、それから、お手入れの仕方によって、大きく変わります。
上の2点を踏まえたうえで、マットレスを選ぶときは、へたりにくい素材を使っているか、へたりにくい構造になっているか、という点に注意して選んでください。
マットレスがへたって薄くなると、上の「厚さ」のところで説明したように、寝ている人の体重を吸収しきれなくなり、寝心地が悪くなります。
特に、マットレスを床や畳に敷いて寝る場合には、底付き感が出て、快適に眠れなくなります。
また、マットレスがへたるときは、ただ薄くなるだけでなく、いつも寝ている場所が凹んできます。
特に、負荷がかかりやすい腰の部分は凹みやすいので、寝ている時に腰が沈み過ぎの姿勢になってしまい、腰を痛める可能性があります。
音・におい
快適に眠るためには、寝室の音やにおいが大切、と上で解説しました。
実は、これはマットレス選びにおいても大切です。
マットレスの音というと、主なものには、
・安いスプリングマットレスに寝たときに、スプリングのきしむ音がする
・ブレスエアー のような樹脂製クッション材のマットレスに寝たときに、シャカシャカ音がする
などがあります。
マットレスのにおいは、素材(ウレタン、羊毛など)や梱包材のにおいだったりします。数時間陰干しすれば、ニオイは消えると言われています。
これらの音やにおいが気にならないという人もいますが、気になって寝られないという人も少なくありません。
音やにおいに敏感な人は、特に、音やにおいに注意してマットレスを選びましょう。
予算
マットレスには、ニトリの激安マットレスから、数十万円する高級マットレスまで価格の幅がかなりあります。
誰でも、なるべく安くて、質の良いマットレスが欲しいと思いますよね。
でも、1枚数千円というようなマットレスは、つくりも素材も良くないので、すぐにヘタって寝心地が悪くなります。
では、値段が高ければ良いのかというと、そういうわけでもありません。
有名人をCMに起用していたり、店舗やショールームを持っているメーカーの商品には、その費用がマットレスの価格に含まれています。ですから、高い価格、すなわち高い品質の値段ではないのです。
そういう意味で、派手な宣伝をせず、店舗も持たず、ネットの通販だけで販売しているマットレスは、価格イコール品質に近いと言えるでしょう。
いずれにせよ、マットレスを買うときは、できれば、健康維持に必要な買い物であるという意識を持って、予算を組むのが理想です。
例えば、1枚4万円もするマットレスは高いと思いますが、そのマットレスを5年使うとします。そうすると、1年あたりのコストは8,000円、1ヶ月あたりのコストなら667円になります。
毎日、快適によく眠って健康的に過ごすために、毎月もしくは毎年いくらなら払ってもいいと思えるか、という視点で予算を考えるのもオススメのマットレスの選び方の一つです。
マットレスの基礎知識
色々なマットレスの選び方を解説する前に、ここでは、基礎知識として、マットレスの種類と使い方について紹介します。
下の表に、マットレスと敷布団の種類、使い方、主な商品についてまとめました。
※横にスクロールできます
種類 | 使い方 | 主な商品 | |
---|---|---|---|
マットレス | ベッド用 | ベッドに使用 | 13層やすらぎ シモンズ サータ シーリー エアー(AiR)マットレス テンピュール マニフレックス フランスベッド ブレスエアー 製 エアウィーヴ 無印 ニトリ |
マットレストッパー
(オーバーレイ) |
マットレスや敷布団の 上に敷いて使用 |
エアウィーヴ トゥルースリーパー テンピュール エアー(AiR)マットレス オクタスプリング フレアベル ブレスエアー 製 無印 イオン ニトリ |
|
アンダーマットレス | 敷布団の下に敷いて使用 | 無印・ニトリなど多数 | |
マットレス | 単独で畳や床の 上に敷いて使用 |
モットン 雲のやすらぎプレミアム フレアベル ブレスエアー 製 エアー(AiR)マットレス マニフレックス 無印 イオン ニトリ |
|
敷布団 | 敷布団 | 単独で畳や床の上に 敷いて使用 |
ムアツふとん エアウィーヴ 雲のやすらぎプレミアム ブレスエアー 製 ニトリ |
マットレスには、
・ベッドに使用するベッド用マットレス…ベッド用マットレス
・敷布団のように単独で畳や床の上に敷いて使用するマットレス…マットレス
・マットレスや敷布団の上に敷いて使用するマットレス…マットレストッパー
・マットレスや敷布団の下に敷いて使用するマットレス…アンダーマットレス
の4種類があります。
マットレストッパーは、メーカーによって、オーバレイと呼ばれたり、マットレスパッドと呼ばれたりすることもあります。
このページでは、寝るときに身体に直接触れないという理由から、アンダーマットレスの選び方についての紹介はしません。
ちなみに、アンダーマットレスの役目は、敷布団やマットレスの下に敷くことで、
・底付き感を和らげる
・床や畳の冷気を防ぐ
・床や畳のホコリから身体を遠ざける
となっています。
マットレスの種類
いざ、マットレスを選ぼうとしても、その種類の多さに迷う方が多いと思います。
ここでは、マットレスをタイプ別・素材別に分類し、各マットレスの選び方のポイントを紹介します。
まずは、マットレスをタイプ別・素材別に整理して表にまとめました。
※横にスクロールできます
タイプ別 | 素材 | 主な商品 | 用途 | |
---|---|---|---|---|
コイル系 | ボンネルコイル | ボンネルコイル +詰め物 | 無印、ニトリなど多数 | ベッド用のみ |
ポケットコイル | ポケットコイル +詰め物 | 13層やすらぎ
シモンズ サータ |
||
その他コイル
高密度連続スプリング ポスチャーテックコイル |
高密度連続スプリング + 詰め物 ポスチャーテックコイル+ 詰め物 |
フランスベッド シーリー |
||
ノンコイル系 | 低反発 | ウレタン | 雲のやすらぎプレミアム モットン マニフレックス ムアツ布団 エアー(AiR)マットレス |
ベッド用 敷布団用 マットレストッパー用 |
高反発 | ウレタン | 雲のやすらぎプレミアム モットン マニフレックス ムアツ布団 エアー(AiR)マットレス |
||
ファイバー | エアウィーヴ
ブレスエアー |
|||
ウォーターマットレス | 水など | ウォーターワールド | ||
ラテックス | 天然/合成ゴム | |||
和敷布団 | 綿 | |||
羊毛 | ||||
合繊 |
コイルマットレス
コイルマットレスは、ベッド用のマットレスです。
ここでは、
を紹介します。
ボンネルコイル
(無印良品公式ページより)
ボンネルコイルのマットレスは、 コイルスプリングを連結させて作った面の上を綿やウレタンなどの詰め物で覆うという構造のマットレスです。
例えば、下の図は、無印良品のボンネルコイル マットレスの構造ですが、コイルの層の上下をフェルトやウレタンなどの3層の詰め物で覆っています。
(無印良品公式ページより)
寝ている人の身体を連結したコイルの面で支えるので、ボンネルコイルのマットレスは硬めのマットレスと言われています。
しかし、実際の寝心地は、コイルの面を覆う詰め物の影響が大きいです。
また、ボンネルコイル のマットレスは、通気性が良いとも言われています。
しかし、これも、ボンネルコイル の層だけの話で、詰め物に通気性の良い素材が使用されていないと、寝ている時に蒸れを感じます。
ですから、ボンネルコイル マットレスを選ぶときは、詰め物に使用されている素材や厚さにもよく注意して選んでください。
もちろん、ボンネルコイル の自体の品質も重要です。品質の良くないボンネルコイル マットレスに寝ると、ギシギシというスプリングの音がします。店頭で見たり触ったりするだけではよくわからないので、販売員さんにぜひ質問してください。
もう一つの注意点は、ボンネルコイル のマットレスに二人以上で寝ると、隣の人が動くと揺れが伝わってきます。マットレスを複数人で使用する予定の方は、この点も考慮に入れてください。
まとめると、ボンネルコイル マットレスを選ぶ時のポイントは、
・ボンネルコイル の品質
・詰め物の素材、厚さ
・二人以上で使うかどうか
の3つです。
ポケットコイル
(シモンズ公式ページより)
ポケットコイルのマットレスは、アメリカの高級寝具メーカーのシモンズ社が開発し、商品化しました。現在は、シモンズ、サータなどの高級マットレスに使用されています。
上の図のように、スプリングコイル一つ一つをポケットと呼ばれる不織布で包み、下の図のようにコイルを並べるという構造です。
(シモンズ公式ページより)
一つ一つのポケットコイル が寝ている人の身体を点で支えるので、ポケットコイルのマットレスは寝ている人の身体が程よく沈み、体圧分散に優れています。
そして、コイルの太さ、長さ、直径、並べ方でポケットコイル 層の硬さは変わります。選ぶときは、注意してください。
また、ボンネルコイル と同様、ポケットコイルの品質も重要です。店頭で見たり触ったりするだけではよくわからないので、販売員さんにぜひ質問してください。
しかし、ポケットコイル のマットレスの実際の寝心地も、コイル層を覆う詰め物の影響が大きいです。
例えば、下の図は、13層やすらぎマットレスの構造です。このマットレスは、ポケットコイル 層の上下を6層ずつ様々なウレタン等を使用した詰め物で覆っています。
(13層やすらぎマットレス公式ページより)
ですから、ポケットコイル マットレスを選ぶときは、詰め物の素材や厚さも大切なポイントです。
もう一つのポイントが通気性です。品質の良いポケットコイル マットレスには、マットレス内の湿気を外に出すために、マットレスの側面に内部の空気を排出する穴が設けられています。
穴が設けられていないマットレスの場合は、別の湿気対策のための構造の工夫がされているかどうか確認しましょう。
また、ポケットコイル マットレスは、ボンネルコイル マットレスと異なり、二人以上で使用しても隣で寝ている人の振動が伝わりにくくなっています。ですから、マットレスを複数人で使用する予定の方にオススメです。
ただし、ポケットコイル マットレスは重いので、メインテナンスは大変、ということを覚えておいてください。
まとめると、ポケットコイル マットレスを選ぶ時のポイントは、
・ポケットコイル の品質
・ポケットコイル の太さ、長さ、直径の大きさ、配列
・詰め物の素材、厚さ
・湿気対策
の4つです。
高密度連続スプリングとポスチャーテックコイル
最後に、ボンネルコイル ともポケットコイルとも異なるマットレスの中から代表的なものとして、高密度連続スプリングとポスチャーテックコイルを紹介します。
高密度連続スプリングは、フランスベッド社のマットレスに使用されています。
(フランスベッド公式ページより)
1本の鋼線を高密度に連続して編み込んで、寝ている人の身体をスプリングの面で支えます。
しかし、特殊なコイルの編み方によって、ポケットコイル のように体圧分散にも優れています。加えて、二人以上で使用する際に、隣の人の動きが伝わりにくくなっています。
また、高温多湿の日本の気候に合わせて、通気性もよくしてあります。
ポスチャーテックコイルは、アメリカのシーリー社のマットレスに使用されています。
(シーリー公式ページより)
ボンネルコイル のようにコイルが連結している構造ですが、コイルの一つ一つが寝ている人の体を点で支え、各コイルにかかる重さによって反発力が変化します。
ボンネルコイル マットレスやポケットコイル マットレスを選ぶときに、ぜひこの2つも試して、それぞれのコイルの違いを感じてみてください。
ノンコイルマットレス
ノンコイルマットレスというのは、コイル以外の素材のマットレスです。
ノンコイルマットレスの用途は、
・ベッド用
・敷布団用(単独で畳や床に敷いて使用)
・マットレストッパー用(マットレスや敷布団の上に敷いて使用)
の3つです。
マットレストッパーは、メーカーによって、オーバーレイ、マットレスパッドなど異なる名称が使われることもあります。
ここでは、素材別に、
低反発マットレス
低反発マットレスは、圧力をかけると柔らかく沈みこみ、すぐには元に戻らないのが特徴のマットレスです。
(トゥルースリーパー公式ページより)
1990年代にテンピュール社が、NASA(米国航空宇宙局)が開発した素材の技術を活用して低反発マットレスを作ったのが最初です。素材はウレタンです。
低反発マットレスの上に寝ると、身体のラインに沿ってマットレスが沈むので、体圧分散が上手く行われます。
しかし、反発力が弱いので、特に負荷がかかる腰の部分が沈み過ぎてしまい、正しい姿勢をキープして眠ることができません。
また、反発力の弱さは、寝返りをしにくくもします。
それから、低反発マットレスは通気性がよくありません。その上、身体にぴったりと沿って沈むので、日本の夏には蒸れて、快適に眠ることができません。
さらに、低反発マットレスは、気温が高いところでは柔らかく、気温が低いところでは硬く、と気温によって硬さが変化します。ですから、ホテルや病院のように1年中気温が一定の環境でないと、安定して使用することができません。
低反発マットレスの柔らかい寝心地は多くの人に好まれていますが、身体に負担をかけない姿勢を保つことと適切な温度と湿度を保つことが難しいという点から快適に眠るためのマットレスの役割を果たしません。
低反発マットレスは、マットレストッパー、敷布団、ベッド用マットレスとして販売されています。
マットレストッパーは、硬すぎるマットレスの上に敷いて寝心地を柔らかくするのに使用できます。
敷布団とベッド用マットレスは、低反発ウレタンの下に硬いウレタンフォームを組み合わせて、身体が沈み込みすぎるのを防いだり、底付き感を無くしたりしている製品もあります。購入の際にはマットレスの構造に注意して選んでください。
まとめると、低反発マットレスを選ぶなら、
・柔らかい寝心地のマットレスが欲しい
・硬すぎるマットレスの寝心地を柔らかくしたい
・腰痛で悩んでいない
ときに、マットレスの構造に注意して選んでください。
高反発マットレス
高反発マットレスというのは、低反発マットレスよりも反発力が強いマットレスのことです。
そして、高反発マットレスは、寝ている人の体圧を押し戻す力が強いので、寝返りが楽にできます。
高反発マットレスというと、高反発ウレタンのマットレスと樹脂クッション材(ファイバー)のマットレスが主流です。
両方とも、ベッド用マットレス、敷布団、マットレストッパーに使われています。
(1)高反発ウレタンマットレス
高反発ウレタンマットレスは、高反発ウレタンを中芯に使用しているマットレスのことです。
高反発ウレタンマットレスは、
・硬さ
・構造
・ウレタンの表面の形態
によって、寝心地がかなり異なります。
一般的に、高反発ウレタンマットレスの寝心地は硬めですが、やや硬めのものから硬過ぎと感じるものまで、硬さの幅がかなりあります。
硬さを知る目安になるのが、ニュートン(Nとも表記される)というウレタンマットレスの硬さの単位です。家庭用品品質表示法によって定められています。
区分 |
用語(表示名) |
110ニュートン(11重量kg)以上 |
かため |
75ニュートン(7.5重量kg)以上 110ニュートン(11重量kg)未満 |
ふつう |
75ニュートン(7.5重量kg)未満 |
やわらかめ |
(引用:消費者庁 家庭用品品質表示法 )
100 - 110ニュートン以上の硬さのものを高反発マットレスと呼びますが、例えば、100ニュートンと180ニュートンのマットレスでは寝心地がかなり違います。
次に、高反発ウレタンマットレスは、構造もさまざまです。
例えば、下の図のように、分厚いウレタン1枚を側生地で包んでいるタイプのものもあります。
(マニフレックス公式ページより)
また、下の図のマットレスのように、高反発ウレタンに性質の異なるウレタン(通気性が非常に良いウレタンや柔らかめのウレタンなど)を組み合わせている構造のものもあります。
(東京西川公式ページより)
それから、下の図のマットレスのように、高反発ウレタンを中芯にして、羊毛やわたなど異なる素材を組み合わせている構造のものもあります。
(雲のやすらぎプレミアム公式ページより)
最後に、高反発ウレタンマットレスには、ウレタンの表面が平らなものと凸凹加工しているものがあります。
ウレタンの表面を平らに加工しているマットレスは、寝ている人の身体を面で支えます。
(モットン公式ページより)
これに対し、ウレタンの表面を凸凹加工しているマットレスは、寝ている人の身体を点で支えます。
(雲のやすらぎプレミアム公式ページより)
もう一つ付け加えると、においに敏感な人は、ウレタンの臭いが気になるようですので、購入前によく確認しておきましょう。
まとめると、高反発ウレタン マットレスを選ぶ時のポイントは、
・ウレタンの硬さ(ニュートン)
・マットレスの構造
・ウレタンの表面の加工方法
・ウレタンのにおい
の4つです。
(2)高反発ファイバーマットレス
高反発ファイバーマットレスとは、プラスチック樹脂繊維でできた高反発のクッション材を中芯に使用しているマットレスです。
最初は、1990年代に大手化学繊維メーカー東洋紡が高反発クッション材ブレスエアーを開発しました。以後、ブレスエアー を中芯に使用したブレスエアー 製マットレスが多くの寝具メーカーによって製造・販売されています。
続いて、2000年代には、エアウィーヴ 社がエアファイバーを開発してマットレスを作りました。
(エアウィーヴ 公式ページより)
高反発ファイバーは、
・高反発ウレタン並の反発力
・体圧分散に優れる
・クッション材内の90%以上が空気層なので、夏涼しく、冬暖かい
・自宅で水洗いできて、すぐに乾く
という特徴があります。
(爽快潔LIVING公式ページより)
ただし、中芯の高反発ファイバーの品質、厚さ、硬さなどによって、寝心地は異なります。
例えば、ブレスエアー 製マットレスと言っても、寝具メーカーによってマットレスの仕様は全く違いますので、寝心地もかなり異なります。購入前に試してみることが必要です。
それから、高反発ファイバーのマットレスは、寝ていると、樹脂繊維どうしがこすれ合って、シャカシャカ、カサカサという音がします。
全く気にならないという人もいますが、音に敏感な人はこの点に注意して選んでください。
まとめると、高反発ファイバーマットレスを選ぶ時のポイントは、
・洗えることにこだわりたい
・中芯の高反発ファイバーの品質、厚さ、硬さ
・シャカシャカ、カサカサという音
の3つです。
ウォーターマットレス
(ドリームベッド社HPより)
ウォーターマットレスは、ウォーターベッド用のマットレスです。
ウォーターマットレスは、水の浮力で寝ている人の身体を支えます。そして、パスカルの原理により、体圧分散に優れています。
流体が密閉容器の中に入れられていて、各分子が静止している場合、あらゆる地点の圧力は等しくなります。パスカルの原理といいます。流体の微小部分(分子)にはたらく力はあらゆる方向に等方的に伝わります。そしてそれが静止している場合、それは力が釣り合っているということですから、これはつまり、あらゆる地点の圧力が等しいということです。どこか一箇所の圧力を高めると、全体の圧力が高まります (出典:わかりやすい高校物理の部屋)
また、マットレス内の水は電気ヒーターによって、夏は涼しく、冬は暖かく、温度を調節できるようになっています。
しかし、次のような欠点があります。
まずは重さです。サイズによりますが、200kg - 800kgの重さがありますので、動かしにくいのと設置場所を選びます。
引越しの際は、専門業社にマットレスの水抜きと引越し先で設置をお願いする必要があります。
それから、マットレスの上で起き上がるときにコツがいります。
また、マットレス内の水のメンテナンスのために、年1回防腐剤を入れる必要があります。
最後に、水温を調節するヒーターに電気代がかかります。ドリームベッド社の公式ページによると、クイーンサイズのマットレスで月約2,200円(年平均)とのことです。
まとめると、ウォーター マットレスを選ぶ時のポイントは、
・設置場所が重さに耐えられるか
・引越し予定回数
・起き上がるとき苦にならないか
・メンテナンスできるか
というところです。
ラテックス
(Amazon PanPan Amore 100%天然ゴム ラテックスマットレス敷きパッド)
ラテックスマットレスはゴムでできたマットレスです。
日本ではあまり人気が高くありませんが、ヨーロッパでは人気の素材の一つです。
・100%ゴムの樹液から作ったゴムでできた、天然ラテックス100%
・天然ゴムが80%以上含まれている天然ラテックス
・石油を原料として作られたゴムと天然ゴム80%未満の、合成ラテックス
の3種類に分類されます。
マットレストッパーとして販売されているものが多いですが、敷布団もあります。
ただし、マットレスが厚いとかなり重いので(厚さ10cmのシングルサイズで20kgぐらい)、持ち運びや収納、メインテナンスは大変です。
ラテックスの寝心地は柔らかいのに、ゴム特有の弾力で反発力があります。低反発とも高反発とも異なります。
また、ホコリが出にくく、ダニも発生しにくいので、ホコリやダニにアレルギーのある人にオススメです。
ラテックスマットレスの短所は、まず、通気性がよくないところです。
天然ラテックスも合成ラテックスも通気性がよくないので、上の写真のように穴がたくさん空いている構造になっています。しかし、それでも日本の夏には蒸れを感じる人が多いです。
それから、ゴムの臭いがあります。特に、合成ゴムは臭いがきついので、合成ゴムのラッテクスマットレスはあまり勧められません。天然ゴムでも臭いはありますので、ニオイに敏感な人は、購入前に必ず確認しましょう。
最後に、ラテックス(ゴム)アレルギーのある人は使えません。
まとめると、ラテックスマットレスを選ぶ時のポイントは、
・マットレスの重さ
・におい
・ラッテクス(ゴム)アレルギーの有無
というところです。
和敷布団
敷布団は、日本で昔から畳や床の上に敷いて使用されています。
素材は、綿が一般的でしたが、現在は、羊毛やポリエステルわたを使用した敷布団も人気があります。
敷布団の構造は、元々は、ふとんわたを側生地で包む一層構造でした。しかし、現在は、敷布団一枚でも底付き感を感じないように、中芯に固わたを使用した3層構造や、多層構造の敷布団もあります。
3層構造や多層構造の敷布団は、身体の沈み込みも防ぐので、正しい寝姿勢をキープして眠ることができます。
(一般社団法人日本寝具寝装品協会HPより)
敷布団は中に使用されるわたの素材で選びます。GF(グッドふとん)マーク付きの敷布団なら安心です。
ここでは、
を紹介します。
(1)綿敷布団
(Amazon 敷布団固綿3層ボリューム)
昔は、敷布団といえば、木綿わた100%の布団でした。
綿の敷布団は、弾力性があり、寝返りを打ちやすいです。また、保温性に優れているので、気温の低い季節に暖かく眠ることができます。それから、吸湿性に優れているので、寝ている間にかいた汗をよく吸収します。
しかし、放湿性があまりないので、こまめにふとんを干して湿気を取らないと、カビの原因になります。
現在、綿の敷布団には、綿100%のものと、綿とポリエステル混合のものがあります。
綿100%の敷布団は吸湿性に優れ、綿とポリエステル混合の敷布団は弾力性に優れている、と言われています。
それから、綿の敷布団は、専門業者にふとんの丸洗いをしてもらうことができます。
また、一層式の綿の敷布団なら、ふとんの打ち直しでへたってきた敷布団をもう一度フカフカに再生できます。
まとめると、綿敷布団を選ぶ時のポイントは、
・GFマークが付いているか
・綿100%か綿とポリエステルの混合か
・毎日の布団の上げ下ろしが苦にならないか
・天気に良い日に布団を干すのが苦にならないか
もしくは、布団乾燥機の使用が苦にならないか
というところです。
(2)羊毛敷布団
(東京西川HPより)
羊毛の敷布団というと、マットレスや敷布団の上に敷いて使用するパッド式のものと、二層・三層式で中芯にポリエステルや羊毛の固わたを使用している敷布団があります。
羊毛は、綿やポリエステルに比べて、保温性と吸湿・放湿性に優れています。
羊毛には、湿度を与えると自然に熱を出す性質があるので、寝ている間に人の汗を湿気として吸収して寝ている人を暖めてくれます。
その上、湿気を外に出す性質もあるので、羊毛敷布団はいつもさらっとしていて、快適です。夏は涼しく眠ることができます。
しかし、使用を続けていくと、羊毛同士の繊維が絡まり合って、だんだんへたっていきます。保温性、吸湿・放湿性といった性質は失われませんが、綿の敷布団のように、日干しにしてもふかふかの布団には戻りません。
それから、羊毛敷布団は羊毛特有のにおいがあります。これは、羊の脂肪のにおいです。敷布団に使う羊毛は洗浄加工されていますが、ある程度のにおいは仕方がないです。
羊毛敷布団は、ドライクリーニングか、専門業者でふとんの丸洗いができます。
まとめると、羊毛敷布団を選ぶ時のポイントは、
・GFマークが付いているか
・パッド式にするか敷布団にするか
・保温性、吸湿・放湿性
・におい
というところです。
(3)合繊敷布団
(Amazon 昭和西川マチ付き合繊三層式敷布団)
合繊敷布団は、通常、ポリエステル繊維のわたが使用されます。
ポリエステルわたは、軽くて、保温性と保湿・透湿性があります。近年、敷布団に適したポリエステルわたの開発が進められて、弾力性、復元力に優れたものもあります。
また、ポリエステルわたは、綿ぼこりが出ません。防ダニ加工されたポリエステルわたもあるので、喘息やアレルギーの方にもオススメです。
合繊敷布団は、ドライクリーニングか専門業者で丸洗いできます。
それから、ポリエステルわたは、へたってくるとわたの中の空気層が少なくなるので、保温性が無くなります。綿敷布団のように、日干しにしても元に戻らないので、へたってきたら買い替えのサインです。
まとめると、合繊敷布団を選ぶ時のポイントは、
・GFマークが付いているか
・軽さ
・保温性、保湿・透湿性
・喘息・アレルギー対策
というところです。
マットレスの寿命は?
残念ながら、どんなに高価なマットレスにも寿命があります。
寿命がきたマットレスがどうなるのかというと、簡単に言えば、へたります。
・寝返りが打ちにくくなった
・腰が沈みすぎるようになってきた
・いつも寝ているところが凹んできた
・敷布団なら底付き感が出てきた
・薄くなった
これらがマットレス買い替えのサインです。 それでは、使用開始から何年で寿命が来るのでしょうか?
これは、マットレスを使用する人の体重や体型、使用頻度、使用する環境、メンテナンスの有無や頻度によって大きく違いが出るので、一概には言えません。
公式ページに耐用年数を掲載しているマットレスもありますが、参考程度にしておくべきです。品質の良いマットレスを後で紹介するメンテナンスを定期的に行うことで、
・マットレストッパーと敷布団なら5 - 10年
・ベッド用マットレスなら10年
というのが、非常に大雑把な目安です。
和敷布団については、日本寝具寝装品協会が「ふとん買い替えの目安」をホームページに載せています。
綿敷布団も羊毛敷布団も合繊敷布団も約3年とのことです。
ただし、昔ながらの一層の綿敷布団は、布団の打ち直しで再生できます。この打ち直しも、2回が限度とのことなので、3年毎に打ち直しをすれば、約9年使えることになります。
【どこで使う?】ベッドの種類でマットレスを選ぶ
ここでは、ベッドの種類ごとに最適なマットレスの選び方を紹介します。
どのベッド用のマットレスを選ぶ時も、上で紹介した「マットレスを役割から選ぶ6つのポイント」は大切です。
しかし、ベッドの種類によって、6つのポイントの中で特に重視すべきポイントがあったり、6つのポイント以外にも注意しなければならないポイントがあったりします。
紹介するベッドは、
の7種類です。
パイプベッド用マットレスの選び方
(Amazon 山善シングルパイプベッド)
パイプベッド用にマットレスを選ぶときには、マットレスの厚さとマットレスの重さを考慮に入れることが重要です。
まず、厚さについてですが、ほとんどのパイプベッドの床板は上の画像のように、スチールのメッシュになっています。
ですから、薄かったり、柔らかかったりするマットレスや敷布団を使用すると、寝たときに背中にメッシュの床板の存在を感じてしまいます。
柔らかい素材のマットレスや敷布団を使用するときは、最低でも厚さ10cmあるものを選んでください。
高反発のような硬めの素材のマットレスや敷布団の場合なら、最低でも8cmの厚さが必要です。
それでは、マットレスが厚ければ大丈夫なのかというと、そうではありません。マットレスの重さにも注意しなければなりません。
マットレスが厚ければ、重くなります。例えば、ポケットコイル のベッド用マットレスなら、厚さ20cm以上あるものが多いですが、重さは20kg以上、ものによると30kg以上、あります。
ところが、パイプベッドの耐荷重は90kg - 100kgのものが多いです。
ですから、例えば、体重50kgの人なら、耐荷重90kgのパイプベッドに、
90kg(耐荷重) - 50kg(体重) = 40kg(マットレス等の寝具)
を乗せることができます。ポケットコイル マットレスも使用できそうです。
しかし、例えば、体重70kgの人は、耐荷重90kgのパイプベッドに、
90kg(耐荷重) - 70kg(体重) = 20kg(マットレス等の寝具)
しか乗せることができません。ベッド用マットレスと呼ばれるものは重さが20kgくらいあるものが多いので、厚さが十分にある敷布団用のマットレスを使用するのが良いでしょう。
まとめると、パイプベッド用のマットレスを選ぶときは、
・マットレスの厚さ
・マットレスの重さ(ベッドの対荷重 ー寝る人の体重)
に注意してください。
すのこベッド用マットレスの選び方
(Amazon タンスのゲンすのこベッド)
すのこベッド用にマットレスを選ぶときには、パイプベッド用マットレスを選ぶときの注意点であるマットレスの厚さとマットレスの重さに加えて、体圧分散も考慮に入れてください。
まず、厚さについてですが、薄かったり、柔らかかったりするマットレスや敷布団を使用すると、寝たときに背中にすのこの床板の存在を感じてしまいます。
ですから、すのこベッドの場合も、柔らかい素材のマットレスや敷布団を使用するときは、最低でも厚さ10cmあるものを選んでください。
そして、高反発のような硬めの素材のマットレスや敷布団の場合なら、最低でも8cmの厚さが必要です。
それでは、マットレスが厚ければ大丈夫なのかというと、すのこベッドの場合もマットレスの重さに注意する必要があります。
すのこベッドの耐荷重は、ものによって、100kgくらいから200kgくらいまでかなり幅があります。
対荷重が200kgもあるすのこベッドなら、寝る人の体重が相当重くても、30kg以上の重さがあるようなポケットコイル マットレスを載せても問題はありません。
しかし、対荷重が100kgのすのこベッドの場合は、パイプベッドと同様に、軽いものでも20kg近くあるベッド用マットレスよりも、厚さが十分にある敷布団用のマットレスを使用するのが良いでしょう。
マットレスが厚ければ、重くなりますので、お持ちのすのこベッドの耐荷重を確認してから、マットレスを選ぶようにしてください。
最後に、すのこベッド用マットレスは体圧分散に優れているものを選ぶことが大切です。 マットレスが体圧分散をうまくできないと、腰や肩といった、寝ているときに一番負荷がかかる部分の床板の木が早く傷むからです。
まとめると、パイプベッド用のマットレスを選ぶときは、
・マットレスの厚さ
・マットレスの重さ(ベッドの耐荷重 ー寝る人の体重)
・体圧分散
に注意してください。
2段ベッド用マットレスの選び方
(ニトリ公式ページより)
2段ベッド用のマットレスは、上段で使うマットレス選びが重要です。
上段で使用するマットレスは、
・寝ている人が柵を越えて落ちないような厚さ
・干したりするために動かしやすい重さ
の2点に注意して選びます。
スチールパイプ製の2段ベッドは床板がスチールのメッシュ、木製の2段ベッドは床板がすのこになっているものが多いです。
ですから、底付き感をなくすためにも、パイプベッド用・すのこベッド用マットレスのところで紹介したように、ある程度の厚さは必要です。
しかし、あまり厚いと、寝返りを打ったときに柵を越えて落ちる危険性があります。
柔らかい素材のマットレスなら厚さ10cm、硬めの素材のマットレスなら厚さ8cmが最低限必要、とパイプベッド用・すのこベッド用マットレスのところで紹介しましたが、上段のマットレスの厚さは10cm程度にしておきましょう。
それから、シーツを替えたり、マットレスを干したりするときのために、なるべく軽いマットレスを選びます。
また、木製の2段ベッドの場合は、すのこベッド用マットレスと同様に、体圧分散に優れているものを選ぶことが大切です。腰や肩といった、寝ているときに一番負荷がかかる部分の床板の木が早く傷むのを避けることができます。
下段で使用するマットレスは、上段で使用するものほど、厚さや重さにこだわらなくても大丈夫です。
最後に、2段ベッドの床板のサイズは幅98cm x 長さ196cmのものが多いです。和敷布団を使用しようとすると、和敷布団のシングルサイズは通常、幅100cm x 長さ210cmなので、布団が はみ出てしまいます。
まとめると、2段ベッド用のマットレスは、
・マットレスの厚さ
・マットレスの重さ
・体圧分散(特に木製の2段ベッドの場合)
に気をつけて、選びます。
ロフトベッド用マットレスの選び方
(ニトリ公式ページより)
ロフトベッド用マットレスの選び方は、上で紹介した2段ベッド用マットレスの選び方と同じです。
ベビーベッド用マットレスの選び方
(Amazon スリーピーELISEエリーゼベビーベッド)
赤ちゃんは眠る時間が長いので、ベッドで過ごす時間が多く、マットレス選びは大変に重要です。
ベビーベッド用マットレスは、赤ちゃんの顔が埋まらないように硬めのものを使用してください。
0歳児の不慮の事故死の中で睡眠中の窒息死が多い、ということから、消費者庁が赤ちゃんが使用する寝具についての注意を出しています。
その中で、消費者庁は、赤ちゃんを寝かせるときには、できるだけベビーベッドを使用し、顔が埋まらない硬めのマットレスを使うよう呼びかけています。
あと、赤ちゃんは、ミルクを吐いたり、ゆるめのウンチがオムツから漏れたりと、マットレスをよく汚します。
ですから、衛生面から家で洗えてすぐに乾くタイプのマットレスがおすすめです。
まとめると、ベビーベッド用のマットレスは、
・硬めのもの
・家で洗えるなど清潔に保てるもの
を選びます。
電動ベッド用マットレスの選び方
(シモンズ公式ページより)
電動ベッドには、電動ベッド専用に作られたマットレスを使用します。
電動ベッド専用マットレスは、電動ベッドがリクライニングするときにズレないような仕様になっているからです。
電動ベッドのメーカーは電動ベッド用のマットレスも製造・販売しているので、電動ベッドと同じメーカーのマットレスを選ぶのが安心です。
介護ベッドも、電動ベッドと同じように、電動のリクライニング機能がついたベッドです。
しかし、介護ベッドは、介護する人の負担軽減のために、幅が狭く作られていますので、介護ベッド用のマットレスを電動ベッド用に使うことはできません。気をつけてください。
介護ベッド用マットレスの選び方
(Amazon フランスベッド介護用ベッド)
介護用ベッドマットレスは、看護・介護者の負担を減らすために、普通のシングルベッドより10cm近く幅が狭い85cmになっているのが標準です。
そして、普通のベッドマットレスと異なり、厚さがJIS規格で決められています。参考までに、マットレスの上面からベッドのサイドレールの一番高いところまでの幅が22cm以上という規定です。
介護ベッド用マットレスは、要介護認定2以上の人であれば、介護保険でレンタルすることができます。
介護ベッド用マットレスは、要介護者の状態によって、最適なマットレスが異なります。
大きく分けると、
の3つになります。
自分で寝返りができて、何かにつかまればベッドの乗り降りができる人用のマットレス
要介護認定を受けている方は、健康な人よりも筋肉量が少なくなっています。
ですから、寝心地が柔らかく、かつ、寝返りが楽にできる反発力があるマットレスが最適です。
それから、床ずれ予防のために体圧分散に優れていることも大切です。
また、マットレスの縁の部分が硬めになっていると、ベッドの乗り降りが楽にできます。
あとは、ファイバー製のマットレスは、通気性に優れていて、汚してもすぐ洗えるので、重宝します。
洗えない素材のマットレスの場合は、防水加工が施されているものを選びます。
自分で寝返りできるが、ベッドの乗り降りには介助が必要な人用のマットレス
このケースでも、自分で寝返りできるので、寝心地が柔らかく、かつ、寝返りが楽にできる反発力があるマットレスが最適です。
それから、床ずれ予防のために体圧分散に優れていることも大切です。
また、マットレスの縁の部分が硬めになっていると、看護・介護者は介助が楽にできます。
このケースの方は、ベッドで過ごす時間が長くなりますが、できるだけ身体を起こして過ごすようにしています。
ですから、下の写真のように介護ベッドをリクライニングさせたときに、マットレスがずり落ちない仕様になっているものを選びます。
(フランスベッド介護宅配便HPより)
あとは、ファイバー製のマットレスは、通気性に優れていて、汚してもすぐ洗えるので、重宝します。 洗えない素材のマットレスの場合は、防水加工が施されているものを選びます。
寝たきりで、ほとんどの動作に介助が必要な人用のマットレス
このケースの方は、寝ているときに身体の動きに合わせて電動で空気圧を調節できるエアマットレスが最適です。床ずれ防止マットレスとも呼ばれています。
このマットレスなら、自分で寝返りが打てなくても、圧力のかかる身体の部位を定期的に変えることで、床ずれを防ぐことができ、看護・介護者の負担も軽減されます。
このタイプのマットレスもリクライニングしたときにずり落ちないような仕様であることが必要です。
また、下の写真のように、マットレスの片側もしくは両側が上がる仕様になっていると、転落防止になり、看護・介護者の負担軽減にもなります。
(フランスベッド介護宅配便HPより)
【体型、性別、年齢など】寝る人のタイプでマットレスを選ぶ
(フランスベッド介護宅配便HPより)
ここでは、体型、性別、年齢など、寝る人のタイプ別マットレスの選び方を紹介します。
全てのタイプの人に、上で紹介した「マットレスを役割から選ぶ6つのポイント」は大切です。
しかし、タイプによっては、6つのポイントの中で特に重視すべきポイントがあったり、6つのポイント以外にも注意しなければならないポイントがあったりします。
紹介するのは、
の7タイプです。
体重の重い人・軽い人
体重の重い人には硬めのマットレス、体重の軽い人には柔らかめのマットレス、というのが大まかな目安です。
体重の重い人は、寝たときに重い体重を支えてくれるだけの高い反発力を持った硬めのマットレスが合います。
また、運動選手のように筋肉量が多い人は、体重がそんなに重くなくても、高い反発力を持った硬めのマットレスが合います。同じ体重でも、筋肉量の多い人は、筋肉量が少ない人より、寝たときにマットレスに大きく負荷がかかるからです。
これに対して、体重の軽い人が反発力の強い硬いマットレスに寝ると、体重がマットレスの反発力に負けてしまい、身体が痛くなります。ですから、反発力があまり強くない柔らかめのマットレスがオススメです。
それから、身体が大きくても、欧米人のように凹凸のはっきりとした体型をしている人は、柔らかめのマットレスが合います。身体の凸凹が大きい人は、柔らかめのマットレスの方が正しい寝姿勢をキープしやすいのです。
しかし、柔らかめと言っても、身体が沈みすぎたり、寝返りが楽にできない柔らかさではよく眠ることができません。
体重の重い人や筋肉量の多い人は、
・コイル系マットレスなら、ボンネルコイル マットレスか、硬めのポケットコイル マットレス
・ノンコイル系マットレスなら、高反発マットレス
を試してみてください。
体重の軽い人や欧米人のように凸凹のはっきりとした体型の人は、
・コイル系のマットレスなら、ボンネルコイルのマットレスよりも、中くらいから柔らかめのポケットコイルマットレス
・ノンコイル系のマットレスなら、柔らかめの高反発ウレタンマットレス(100 - 110ニュートンくらい)、または、中芯に硬い高反発ウレタンを使用して、その上に柔らかい ウレタンや別の柔らかい材を組み合わせているようなマットレス
を試してみてください。
女性
女性は、一般的には、男性より小柄で体重も軽く、筋肉量が少ないです。
反発力の強い硬いマットレスに寝ると、体重がマットレスの反発力に負けてしまい、身体が痛くなります。ですから、反発力があまり強くない柔らかめのマットレスがオススメです。
ただし、反発力が弱すぎると、寝たときに腰の部分が沈みすぎて、腰痛の原因になります。
また、マットレスの反発力が弱すぎると、寝返りが楽にできないので、快適に眠ることができません。
もし、コイル系のマットレスを選ぶなら、ボンネルコイルのマットレスよりも、ポケットコイルマットレスの方が女性に合います。
ポケットコイル マットレスも、コイルの太さと長さや直径の大きさ、配列の違いで様々な硬さのものがあります。また、コイル層の上の詰め物の素材や厚さによっても寝心地が変ります。ぜひ、中くらいの硬さのものから、いろいろと試してみてください。
もし、ノンコイル系のマットレスを選ぶなら、例えば、柔らかめの高反発ウレタンマットレス(100 - 110ニュートンくらい)から、試してみてください。
もしくは、下に二つの例を示していますが、中芯に硬い高反発ウレタンを使用して、その上に柔らかいウレタンや別の柔らかい材を組み合わせているようなマットレスでも大丈夫です。
(雲のやすらぎプレミアム公式ページより)
(マニフレックス公式ページより)
まとめると、女性がマットレスを選ぶときは、
・反発力があまり強くない柔らかめのマットレス
・腰が沈みすぎず、寝返りが楽にできる反発力のあるマットレス
の2つのポイントに気をつけて選びます。
高齢者
ここでは、介護の必要のない高齢者用のマットレスの選び方を紹介します。 要介護の高齢者用マットレスについては、【どこで使う?】ベッドの種類でマットレスを選ぶの介護ベッド用マットレスの選び方を参照してください。
詳しくはこちら
>>【 どこで使う?】ベッドの種類でマットレスを選ぶ
介護ベッド用マットレスの選び方
高齢者は、一般的に、若い人より筋肉量が少ないです。
ですから、反発力の強い硬いマットレスに寝ると、身体がマットレスを押す力がマットレスの反発力に負けてしまい、身体が痛くなります。
しかし、反発力が弱すぎると、寝たときに腰の部分が沈みすぎて、腰痛の原因になります。
また、マットレスの反発力が弱すぎると、寝返りが楽にできないので、快適に眠ることができません。
ですから、反発力があまり強くない柔らかめのマットレスがオススメです。
もし、コイル系のマットレスを選ぶなら、ボンネルコイルのマットレスよりも、中くらいから柔らかめのポケットコイルマットレスの方が合います。
もし、ノンコイル系のマットレスを選ぶなら、例えば、柔らかめの高反発ウレタンマットレス(100 - 110ニュートンくらい)から、試してみてください。
また、下に二つの例を示していますが、中芯に硬い高反発ウレタンを使用して、その上に柔らかいウレタンや別の柔らかい材を組み合わせているようなマットレスでも大丈夫です。
(雲のやすらぎプレミアム公式ページより)
(マニフレックス公式ページより)
それから、敷布団タイプのマットレスを選ぶときは、毎日の布団の上げ下ろしの負担を減らすために、重いマットレスを避けましょう。
まとめると、高齢者がマットレスを選ぶときは、
・反発力があまり強くない柔らかめのマットレス
・腰が沈みすぎず、寝返りが楽にできる反発力のあるマットレス
・敷布団タイプは、重くないマットレス
の3つのポイントに気をつけて選びます。
子供
子供は新陳代謝が盛んで大人より汗をかくので、通気性の良いマットレスを選びます。
それから、子供は体重が軽いからと言って、腰が沈み込むような柔らかいマットレスを選ばないようにしましょう。子供にも、大人と同様に正しい寝姿勢をキープできる硬さのマットレスを選んであげてください。
マットレスの厚さに関しては、小学校入学前の子供は、まだ体重が軽いので、マットレスの厚さは4 - 5cmぐらいあれば大丈夫です。
小学校入学後にはだんだんと大人の体格に近づいていきますので、大人と同様、柔らかい素材のマットレスなら最低10cm、硬めの素材のマットレスなら最低8cmの厚さがあるマットレスを選べば安心です。
また、小学校入学前の子供はおねしょや嘔吐でマットレスをよく汚します。ですから、家で洗って乾かせる素材のマットレスを選ぶのがオススメです。洗えない素材のマットレスを購入したときは、必ず防水機能のあるシーツやカバーを付けて、清潔にしましょう。
中学入学後の子供は、体格的には大人とほぼ同じになりますので、上で紹介したマットレスを役割から選ぶ6つのポイントを参照してください。
まとめると、子供が使用するマットレスは
・通気性
・硬さ
・厚さ
・洗える素材(特に小学校入学前の子供)
というポイントに気をつけて、選びましょう。
夫婦
夫婦、または、夫婦と子供など、二人以上で同じマットレスに寝るのなら、相手の動きの振動が伝わりにくいマットレスを選ばないと、快適に眠れません。
コイル系マットレスでしたら、ボンネルコイル のマットレスは避けましょう。
ボンネルコイル のマットレスは、寝ている人の身体をコイルで作った面で支える構造になっているので、寝ている人が動くとその振動が相手に伝わってしまいます。
それから、夫婦で体重差が大きいときは、上の体重の重い人・軽い人のところで解説したように、身体に合うマットレスの硬さが異なります。そういう場合は、それぞれ体重に合った硬さのシングルサイズのマットレスに寝るほうが、よく眠ることができます。
まとめると、夫婦、または、夫婦と子供など、二人以上で使用するマットレスは
・寝ている人の動きの振動が伝わりにくさ
・使用する人の体重
に気をつけて、選びましょう。
一人暮らし
一人暮らしの人がマットレスを選ぶときには、大きさが重要になります。
通常、一人暮らしの人の住居はスペースが限られているからです。
敷布団を選べば、昼間は部屋を広く使うことができます。
ベッドを選ぶのなら、脚付マットレスにすると、あまりスペースをとりません。
それから、セミダブルやダブルのベッドでゆったりと眠りたいという人は、マットレスの搬入経路に十分なスペースがあるか、事前に調べてください。 注意点は以下の通りです。
(13層やすらぎマットレス公式ページより)
敷布団タイプなら、こんな感じで届くので、搬入経路の心配はいりません。
まとめると、一人暮らしの人がマットレスを選ぶときは、
・部屋のスペースを有効に使える大きさ
・部屋に搬入できる大きさ
に気をつけて選んでください。
腰痛・肩こりの人
腰痛・肩こりの人には高反発マットレスがオススメです。
詳細は、腰痛に効くマットレスのページをぜひ御覧になってください。
詳しくはこちら
>> 腰痛に効くマットレス
【仰向け派?横寝派?うつぶせ派?】寝方でマットレスを選ぶ
ここでは、
の3種類の寝方ごとにマットレスの選び方を紹介します。
寝方によって、正しい寝姿勢をキープするために最適なマットレスの硬さが異なります。
仰向け寝
仰向け寝派にオススメのマットレスは、腰の部分をしっかりとサポートできる反発力を持っているマットレスです。
マットレスに寝たときに、背骨の自然なS字カーブを保てるような硬さが理想的です。
上で紹介した、体型、性別、年齢など、寝る人のタイプ別マットレスの選び方を参考にして、最適な硬さを選んでください。
横向き寝
横向き寝派にオススメのマットレスは、柔らかめだけど反発力のあるマットレスです。
横向きに寝たときに肩から腰までのラインを程よくサポートするためには、ある程度の柔らかさが必要です。
上の図のように、肩と腰の部分が程よく沈んで、背骨が一直線になるような柔らかさが理想的です。
しかし、柔らかいだけでなく、寝返りを楽に打てるだけの反発力も必要です。
ですから、中芯に高反発素材を使用して、その上に低反発ウレタンのような柔らかい素材を組み合わせているマットレスを選びましょう。
うつぶせ寝
少数派と思われますが、うつぶせ寝派の人に良いマットレスを紹介します。
うつ伏せに寝るということは、寝るときに、首から腰までの部分に、体重の約8割に当たる負荷がかかるということです。
ですから、胴体の部分をしっかりと支えてくれる反発力のあるマットレスを選びます。反発力の弱い柔らかめのマットレスに寝ると、胴体の部分が沈み込んで、反り返るような姿勢で寝ることになり、腰を痛めてしまいます。
コイル系マットレスでしたら、ボンネルコイル のマットレスがオススメです。硬めの寝心地のポケットコイル マットレスでも大丈夫です。
ノンコイル系マットレスでしたら、高反発マットレスを選びましょう。
マットレスの買い方
ここでは、マットレスの買い方について紹介します。
マットレスを購入する方法は、
の二つの方法があります。
マットレスを購入するときの参考にしてください。
マットレスのサイズを選ぶ
マットレスの買い方を紹介する前に、マットレスのサイズについて解説します。 日本の寝具メーカーのマットレスのサイズは、JIS規格を元に設定されています。
(一般財団法人日本規格協会HPより)
しかし、海外メーカーのマットレスもそれほどの違いはありません。
参考までに、いくつかのメーカーのシングル、セミダブル、ダブルサイズを下の表にまとめてみました。
メーカー |
シングル幅 |
セミダブル幅 |
ダブル幅 |
長さ |
---|---|---|---|---|
フランスベッド (日本) |
97cm |
122cm |
140cm |
195cm |
13層やすらぎマットレス (日本) |
97cm |
120cm |
140cm |
196cm |
ニトリNスリープ (日本) |
97cm |
120cm |
140cm |
197cm |
無印良品 (日本) |
97cm |
120cm |
140cm |
195cm |
シモンズ (米国) |
97cm |
120cm |
140cm |
195cm |
サータ (米国) |
97cm |
122cm |
139cm |
196cm |
メーカーによっては、シングルサイズより小さいセミシングルサイズや、ダブルサイズより大きいクイーンサイズとキングサイズも作っています。
また、マットレスの厚さについてはJIS規格では定められていません。
そして、和敷布団のサイズもJIS規格を元に設定されています。
一般的には、和敷布団は、
・シングルサイズ 幅100cm X 長さ210cm
・セミダブルサイズ 幅120cm X 長さ210cm
・ダブルサイズ 幅140cm X 長さ210cm
となっています。
長さがマットレスより約15cmも長いんですね。
サイズを選ぶ目安としては、
・一人で使用するなら、シングルサイズ。
・一人でゆったり眠りたいか、大柄な人なら一人でもセミダブルサイズ。
・二人以上で使用するなら、ダブルサイズか、設置場所の広さや搬入経路の余裕があれば、 クイーンサイズやキングサイズでもよし。
といったところです。
マットレスを店頭で試す時のポイント
マットレスは、大手百貨店の寝具売り場、寝具専門店、ホームセンター、寝具メーカーのショールームなどで購入することができます。
店頭でマットレスを選ぶときは、遠慮せずに、時間が許す限り、寝心地を試してみましょう。
まずは、仰向けに寝て、腰の沈み具合をチェックしましょう。柔らかすぎて腰が沈まないか。硬すぎで腰が浮かないか。必ずチェックしてください。
また、横向き寝派の人やうつぶせ寝派の人は、それぞれの寝方で寝心地を試してみてください。
それから、寝返りのし易さも必ずチェックしましょう。右に左にしっかりと向きを変えて楽に寝返りができることを確認してください。そして、その時にマットレスの音が気にならないかも大事なポイントです。
そして、専門知識豊富な販売員さんの説明もよく聞いてください。新たな発見があるかもしれません。
ただし、マットレスが本当に合うかどうかは、自宅で一定期間実際に寝てみなければわからない、ということを覚えておいてください。
ですから、購入後に身体に合わないとわかった時に返品できるかどうか、購入前に必ず確認しましょう。
マットレスをインターネットで買うときに注意点
マットレスは、Amazon、楽天、ヤフーショッピングなどの通販サイトや、各マットレスの公式ページから購入することもできます。
ネット通販でしか買えないけれど、品質もコスパも大変良いというマットレスもあります。
しかし、欠点は、ズバリ、購入前に試すことができないことです。
頼りになるのはネットの口コミ情報ぐらいで、あとは、カスタマーサポートに質問するか、知り合いが使っているのを見せてもらうしかありません。
でも、マットレスが本当に自分に合うかどうかは、自宅で実際に一定期間寝てみないとわかりません。
そこで、一番大事なのは、返品保証制度が付いているマットレスを選ぶことです。
ここで言う返品保証というのは、購入後自宅で1 - 3ヶ月実際に使用して、身体に合わないという理由で返品することができるという保証制度です。保証期間は、マットレスのメーカーによって異なります。
破損していたり、不良品であるという理由で返品できるマットレスは多いですが、身体に合わないという理由で返品できるマットレスはそんなに沢山ありません。
ですから、マットレスをインターネットで購入するときは、必ず、身体に合わないという理由で返品できる返品保証制度が付いているかどうか確認して購入してください。
合わなくても返品できるなら、インターネットでも安心してマットレスを購入することができます。
マットレスが合わなかったときは?
いろいろと調べたり試したりした上で、購入したマットレスが、残念ながら合わなかった、ということもあるでしょう。
身体に合わないという理由で返品できるという返品保証制度付きのマットレスなら、保証期間内に返品することができます。
残念ながら、返品保証制度がついていないマットレスを購入してしまったときは、せっかく購入したマットレスを粗大ゴミに出す前に、できることがあります。
マットレスが柔らかすぎて腰や肩の部分が沈みすぎるときは、沈みすぎる部分にタオルを敷いてマットレスの硬さを調節します。
柔らかすぎるマットレスの上には高反発のマットレストッパーを敷けばいいのでは、と思うかもしれません。しかし、高反発のマットレストッパーは、柔らかすぎるマットレスの上では効果が発揮されないので、オススメできません。
マットレスが硬すぎるときは、マットレスの上に低反発ウレタンのような柔らかめのマットレストッパーを敷いて、硬さを調整します。
マットレスのメンテナンス方法
最後に、マットレスのメンテナンス方法を紹介します。
メンテナンスを定期的に行うことで、マットレスの寿命が伸びます。せっかく購入したマットレスがすぐにへたらないように、こまめに行いましょう。(1) ベッド用マットレス
まずは、必ずシーツと汗取り用のベッドパッドを使用しましょう。そして、シーツとベッドパッドはこまめに洗濯して交換してください。
できれば毎日、マットレスを使用している部屋の窓を開けて風を通して、マットレスの湿気を取りましょう。
そして、できれば月一回は陰干ししましょう。マットレスの素材に問題がなければ、日光に当てましょう。湿気を取ることでマットレスはヘタリにくくなりますし、カビを防ぐことができます。
それから、下の図を参考にして、3ヶ月に一度はマットレスの向きを変えてください。これをローテーションと言います。ローテーションすることで、マットレスの同じところが凹むのを防ぐことができます。
(無印良品公式ページより)
ローテーションは毎月行うとより効果的です。
そして、コイル系マットレスやウレタンマットレスは洗うことができません。ですから、小さい子供が使用するときは、防水機能のついたシーツを使えば、マットレスを汚すリスクが少なくなります。
高反発ファイバー製のマットレスは家で水洗いして乾かすことがでるので、汚しても安心です。
(2) 敷布団用マットレス・マットレストッパー
まずは、必ずシーツを使用しましょう。そして、シーツはこまめに洗濯して交換してください。
畳やフローリングの上に敷いて使用するときは、除湿シートやすのこの上で使用して、湿気やカビを防いでください。万年床にせずに、毎日上げ下ろしをしてください。
マットレスの通気性が良くても、寝ている時にかいた汗が床とマットレスの間に溜まって、湿気やカビの原因になります。
そして、できれば週一回は陰干ししましょう。マットレスの素材に問題がなければ、日光に当てましょう。湿気を取ることでマットレスはヘタリにくくなりますし、カビを防ぐこともできます。
マットレスを使う向きを変えるローテーションは2週間に1回は行いましょう。もちろん、毎週行えば、より効果的です。
それから、ウレタンマットレスは洗うことができません。ですから、小さい子供が使用するときは、防水機能のついたシーツを使えば、マットレスを汚すリスクが少なくなります。
高反発ファイバー製のマットレスは家で水洗いして乾かすことがでるので、汚しても安心です。
(3)和敷布団
和敷布団のメンテナンスもだいたい同じですが、布団の干し方に気をつけてください。
和敷布団は、できれば週1回〜2回、カバーをかけて日に干してください。時間帯は、午前10時から午後3時の間に、片面1 - 2時間ずつ干すのが理想です。
それから、布団を取り込むときには、強く叩いたりせず、表面のホコリを払い落とす程度に軽く手で払います。
そして、布団を外に干せない場合は、布団乾燥機を使用して、とにかく湿気を取りましょう。
綿、羊毛、合繊の和敷布団は専門業者に布団の丸洗いをしてもらえます。1年に1回丸洗いすれば安心です。
まとめ
マットレスの選び方をさまざまな角度から解説しました。
専門家ではありませんが、理想のマットレスを求めて、調べ、試し、選び、そして失敗もした体験からたどり着いた、マットレスの選び方です。
私たちは一日の約三分の一を寝て過ごすのですから、快適に良く眠れるマットレスを選ぶことは、健康のために大切です。
しかし、人生の中で、マットレスを選ぶ機会はそんなに多くありませんし、いざ選ぼうとすると種類や情報の多さに圧倒されてしまいます。
快適に眠れるマットレスが欲しいけど、どうやって選んでいいかわからない。そんなときに是非このページを参考にして、理想のマットレスを選んでください。
(参考資料)
一般財団法人日本寝具寝装品協会HP/
厚生労働省e-ヘルスネット
「快眠のためのテクニック-よく眠るために必要な寝具の条件と寝相・寝返りとの関係」
フランスベッド株式会社介護宅配便