マットレスや敷布団に生えたカビの取り方と予防方法を解説します。
結論を先に言ってしまうと、マットレスや敷布団の一部分だけにカビが生えている場合は、カビを取る方法があります。
しかし、カビがマットレスや敷布団の広い範囲に生えてしまった場合には、対策はありません。
カビの予防方法を参考にして、マットレスや敷布団をいつも清潔に、快適に使えるようにしてください。
マットレスや敷布団のカビの取り方とは?
ここでは、マットレスや敷布団のカビの取り方を解説します。
最初に知っておいていただきたいのは、
- カビの菌を殺菌することはできる
- カビの色素(黒いポツポツ)を取ると、マットレスや敷布団の素材や側生地を痛める
ということです。
マットレスやふとんにカビが生えているのを発見したら、まずは、取り外せるカバーがついている場合は、そのカバーを洗濯しましょう。
カビが一部分だけに生えている場合
カビが、マットレスや敷布団の一部分だけに生えている場合は、カビの菌を落とすことが可能です。
エタノールで殺菌する
エタノールは、カビの菌を殺菌しますが、カビの色素を取ることはできません。
エタノールには、
- 消毒用エタノール
- 無水エタノール
の2種類があります。
消毒用エタノールはそのまま使用できますが、無水エタノールは、エタノール対水を4:1の割合で希釈して使います。
購入するときに注意してください。
- 濡らしたキッチンペーパーでカビの表面を優しく拭き取ります。
- 消毒用エタノールか希釈した無水エタノールをスプレーボトルに入れて、染み込むくらいたっぷりとカビの部分に吹きかける。
- 濡らしたキッチンペーパーや清潔なタオルで叩くようにして、水分を拭き取る。
- 最後にしっかりと天日干しで乾燥させます。
ただし、エタノールが染み込んだマットレスや敷布団を完全に乾かすのは意外と大変です。
塩素系漂白剤はおすすめできない
カビ取りといえば、塩素系漂白剤ですね。
塩素系漂白剤なら、カビの菌を殺して、かつカビの色素を取ることができます。
しかし、塩素系漂白剤は、マットレスや敷布団の素材や側生地を痛めます。
これは、酸素系漂白剤でも同じです。
その上、マットレスや敷布団にかけた漂白剤を完全に拭き取ることは難しく、どうしても塩素の臭いが残ってしまいます。
塩素臭の残るマットレスや敷布団で寝たくないですし、健康にもよくありません。
ですから、塩素系漂白剤でカビ取りはオススメできません。
洗う
カビがマットレスや敷布団の一部分に発生しているだけなら、洗うことでカビの菌をとることができます。
マットレスの中には洗えるタイプのものもありますし、敷布団は、素材によって、丸洗いできるものや洗濯機で洗えるものがあります。
カビが生えてしまったら、マットレスや敷布団を洗って、カビの菌を落としましょう。
綿、羊毛、合繊素材の敷布団は専門業者で丸洗いしてもらえます。
ウレタンマットレスを洗う業者もあるので、ネットなどでチェックしてみてください。
それから、マットレスや敷布団の中には、洗濯機で洗えるものもあります。
ただし、一般家庭で使っている洗濯機ではサイズの問題があるので、ふとんの丸洗いができる洗濯機があるコインランドリーで洗いましょう。
また、マットレスや敷布団の素材が樹脂製クッション材(エアウィーヴやブレスエアー 製)の場合は、自宅の浴室のシャワーで洗うことができます。
ただし、この素材は熱に弱いので、シャワーの温度は40度までにしてください。
カビが広範囲に生えている場合は買い換える
カビがマットレスや敷布団の広い範囲に生えてしまったら、残念ですが、対策はありません。
なぜなら、カビが広い範囲に生えている場合は、カビの菌がマットレスや敷布団の内部奥深くにまで及んでいる可能性大だからです。
こうなってしまったら、もったいないですが、健康のためにも、新しいマットレスや敷布団に買い換えましょう。
買い換えたら、下で紹介するカビの予防方法を参考にして、二度とカビを生えさせないようにしてください。
カビの予防方法は?
マットレスや敷布団のカビを予防するためには、とにかく湿気を取りましょう。
湿気を取るためには、
- シーツやマットレスパッドを使う
- すのこや除湿シートを使う
- 干す
- 敷きっぱなしにしない
ことが大切です。
「なーんだ、当たり前のことばかり」と思われるかもしれません。
でも、この当たり前のお手入れを定期的に続けることで、マットレスや敷布団のカビを予防することができます。
シーツ・マットレスパッドを使う
まず、マットレスにも敷布団にも必ずシーツを使います。そして、最低でも1週間に1度は交換して洗濯しましょう。
シーツは、マットレスや敷布団に汚れがつくのを防ぎます。汚れは、カビのエサになります。
ベッド用マットレスには、マットレスパッドを使いましょう。
(画像 AMAZON 昭和西川 敷きベッドパッド)
マットレスパッドは、上の画像のように、ベッド用マットレスの上に敷きます。
ベッド用マットレスは、基本的に洗うことができませんし、敷布団のように簡単に干すこともできません。
マットレスパッドを敷くことで、マットレスパッドが寝ている間にかいた汗などの湿気を吸い取ってくれます。
シーツ同様に、マットレスパッドも最低でも週一回は洗濯するようにしましょう。
すのこ・除湿シートを使う
(画像 左:AMAZON アイリスプラザ すのこマット)
(画像 右:AMAZON 西川リビング からっと寝 調湿シート)
マットレスや敷布団を畳やフローリングの上に敷いて使用する場合は、すのこや除湿シートを敷きましょう。
畳やフローリングの上に、まず、すのこや除湿シートを敷いて、その上にマットレスや敷布団を敷きます。
寝ている間にかいた汗はマットレスや敷布団の底の方にたまりやすく、その結果、畳やフローリングが結露してカビの原因になります。
すのこや除湿シートはマットレスや敷布団の湿気を取ってくれるので、カビを予防できます。
除湿シートには、通常、吸湿センサーがついていて、センサーの色が変わったら、天日干しします。
干す
マットレスや敷布団の素材が、綿、羊毛、合繊であれば、天日干ししてください。
天日干しのポイントは、お天気の良い日に、
- 午前10時から午後3時の間に干す
- 片面1 〜 2時間ずつ干す
- 週1回〜2回干す
の3点です。
外に干せない場合は、布団乾燥機を使用してもOKです。
羊毛や合繊素材だと天日干ししても、綿素材のようにふかふかになりませんが、湿気は取れていますので、心配しないでください。
それから、マットレスや敷布団の素材がウレタンや樹脂製クッション材(エアウィーヴやブレスエアー 製)の場合は、陰干しします。
なぜなら、これらの素材は紫外線に弱いからです。
外に干せない時は、部屋の中で扇風機の風に当てるだけでも、湿気は取れます。
布団乾燥機は、使える場合とそうでない場合があるので、各マットレスや敷布団の説明書をよく確認してから使用してください。
敷きっぱなしにしない
畳やフローリングの上に直接マットレスや敷布団を敷いている場合は、敷きっぱなしにしないでください。
すのこや除湿シートを使っていても、敷きっぱなしにしないでください。
なぜなら、すのこの上にマットレスや敷布団を敷きっぱなしにすると、すのこにもカビが生えるからです。
また、湿気を吸った除湿シートの上にマットレスや敷布団を敷きっぱなしにしても、やはりカビが生えます。
厚手のマットレスや敷布団を使っていて、折りたたんで収納できなければ、部屋の壁に立てかけてください。
カビが生えにくいマットレスや敷布団はありますか?
マットレスや敷布団のカビを取るのも予防するのも手間がかかります。
それなら、カビが生えにくいマットレスや敷布団はあるのでしょうか?
調べてみましたら、
- ラテックスマットレス
- 除湿敷布団
が見つかりました。
でも、ラテックスマットレスには重いなどのデメリットがあり、除湿敷布団は普通の敷布団と同じように干す必要があります。
ラテックスマットレス
(画像:AMAZON PanPan Amore 100%天然ゴム ラテックスマットレス敷きパッド)
ラテックスマットレスは、ゴムでできているマットレスで、
・天然ラテックス100%: 100%ゴムの樹液でできている
・天然ラテックス: 80%以上ゴムの樹液でできている
・合成ラテックス: ゴムの樹液は80%未満で、残りは石油を原料として作られた合成ゴム
の3種類があります。
天然ゴムの樹液から作られるラテックスマットレスは抗菌性があるので、カビの心配がほとんどありません。
しかし、ラテックスマットレスは、
- 重い
- 通気性がよくない
- ゴムの臭いがする
- ラテックス(ゴム)アレルギーの人は使えない
といったデメリットがあり、日本ではあまり人気がありません。
除湿敷布団
(画像:AMAZON 吸収する1枚で寝られるオールインワン敷布団カラリフトン)
除湿敷布団は、敷布団の中に除湿シートが入っている敷布団です。
敷布団の中の除湿シートが汗などの湿気を吸収してくれる、という仕組みになっています。
ですから、フローリングに直に敷いて使う場合に、布団の下に除湿シートやすのこを敷かなくても大丈夫です。
しかし、布団の中の除湿シートの湿気を取るために、普通の敷布団と同様に、定期的に布団を干す必要があります。
カビ対策は梅雨時だけでなく1年中必要
カビ対策というと、梅雨時を思い浮かべがちですが、マットレス・敷布団は1年中カビ対策が必要です。
私たちは、寝ている間にコップ1杯分(約200ml)の汗をかきます。
なぜなら、私たちの身体は、深い眠りを得るために、寝汗をかくことによって、身体から熱を放出させて体温を下げる、という仕組みになっているからです。
ですから、私たちは、暑い時期に限らず、1年中寝ている間に汗をかいているのです。
そうなると、特に、フローリングの上にマットレスや敷布団を敷いて寝ている場合は注意が必要です。
気温の低い時期は、冷えたフローリングとマットレスや敷布団の間が結露しやすくなって、カビの原因となるからです。
カビ対策は1年中必要です。
まとめ
マットレスと敷布団のカビ対策について解説しました。
カビの予防はそんなに難しくありません。
日頃のお手入れをきちんとして、清潔なマットレスや敷布団で毎日快適に眠りましょう。
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