まずは毛嚢炎ができる原因をしっかり理解しましょう。
まだ毛嚢炎ができたことがない人は正しい予防方法を心がけ、毛嚢炎ができてしまった人も焦らずに正しく対処することでひどくなるのを防ぐことができますよ。
「いつのまにか肌に赤いプツプツができていた」という経験はありませんか?
脱毛後にできた赤いプツプツをニキビだと勘違いしてしまう人も多いのですが、実は毛嚢炎(もうのうえん)という炎症の可能性があります。
ここでは
について解説します。
毛嚢炎ができる原因は2つを見る>
毛嚢炎とは?
ニキビのような赤いプツプツの正体は、毛嚢炎という炎症の可能性があります。
毛嚢炎というのは、皮膚の小さな傷口からブドウ球菌という雑菌が入り込んだことで起こった炎症です。かゆみはないことが多いですが、押したときに痛みを感じる場合もあります。
毛嚢炎は軽い症状であれば自然に治ることも多いですが、症状が重くなってくると、
- 発疹の範囲が広がる
- おできのように大きくなって痛みが出てくる
さらにひどくなると
- 毛穴の奥にある毛根を包み込んでいるところ(毛嚢)に膿がたまる
- 膿を手術で取り除かなければいけなくなる
と、甘く見て放っておくと痛い目を見ることになるやっかいな炎症なのです。
毛嚢炎ができる原因は2つ
毛嚢炎は、毛穴の奥にある毛嚢(毛包)にブドウ球菌が感染すると引き起こされることは分かりましたね。
では、実際にはどんなことが原因でこのブドウ球菌に感染し、毛嚢炎ができるのでしょうか。毛嚢炎ができる原因には以下の2つがあるようです。
ムダ毛処理・脱毛による皮膚の炎症
ムダ毛の自己処理をすることで、毛嚢炎を引き起こす可能性があります。
●毛抜き
●脱毛テープ
●脱毛ワックス
などを使って自己処理をすることで、皮膚表面や毛穴が傷つきブドウ球菌に感染してしまうからです。
とくに、蒸れやすく皮脂の分泌が多い部位(デリケートゾーン・背中・太もも・ふくらはぎ・ひざ・おでこ等)は、毛嚢炎ができやすいとされています。
では、「自己処理ではなく、レーザー脱毛やフラッシュ脱毛の場合は安心してもいいのか?」と疑問に思われますが、毛嚢炎を引き起こすリスクは少なくなりますがゼロではありません。
レーザー脱毛もフラッシュ脱毛も、少なからず皮膚や毛穴に対して、刺激があります。そのため、自己処理よりは毛嚢炎になるリスクは少ないですが、ゼロとは言い切れないのです。
脱毛前日の自己処理については、『脱毛前日の自己処理はどこまで剃ったらいいの?背中やVIOのムダ毛処理方法を解説』で詳しく解説しています。
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不衛生にすることによる肌のバリア機能の低下
皮脂の分泌が多い部位や蒸れやすい部位である
- デリケートゾーン
- 背中
- 太もも
- ふくらはぎ
- ひざ
- おでこ
は、雑菌の繁殖がさかんに行われます。さらに、これらの部位は不衛生になりやすいため、毛嚢炎を引き起こす可能性が高いのです。
肌を不衛生にしていると「バリア機能」が低下するため、毛穴に雑菌の侵入を許してしまいます。そうなると、毛嚢炎を引き起こしやすくなります。反対に、これらの部位でも清潔に保たれていると肌のバリア機能が正常に働くため、雑菌の侵入を防ぐことができます。
肌の「バリア機能」とは、肌表面にあるわずか0.02mmの角質層がうるおいを蓄え乾燥と外部刺激から肌を守る役割のことです。
肌のうるおいを保つためには、このバリア機能がすこやかに整っている必要があります。「肌が乾燥し、外部刺激を受けやすい」ということはこのバリア機能が低下している証拠です。つまり、敏感肌・乾燥肌は、このバリア機能が低下しています。肌が生まれ変わり、新しい角質層をつくりだすサイクル”ターンオーバー”が乱れ、角質層内の保湿成分が不足していることが原因のひとつです。
脱毛後のケアについては、『脱毛後にかゆみが出る原因とケア方法を徹底解説』で詳しく解説しています。
こちらも参考にしてください。
毛嚢炎とニキビの決定的な違いはなに?
毛嚢炎とニキビは、姿かたちも似ていて見分けがつきにくい炎症の症状ですが、決定的に違うのは原因となる「菌」の違いです。
毛嚢炎 | ニキビ |
毛穴が炎症しているところに「ブドウ球菌」が繁殖して引き起こされた炎症のこと。 | 「アクネ菌」が詰まった毛穴の中で増殖して引き起こされた炎症のこと。 |
私のブツブツはどっちなのかなぁ‥
一般的にニキビは芯があって膿のようなものが溜まりますが、毛嚢炎は膿などはなく赤みがあり、押すと痛みを伴うなどの特徴があります。判断が難しいときは病院で診断を受けましょう。
毛嚢炎を防ぐための正しい予防方法は2つ
毛嚢炎にならないための、正しい予防方法をご紹介します。
保湿をして乾燥しないようにする
肌は乾燥してしまうと正常な肌のバリア機能が働かなくなってしまいます。肌のバリア機能が正常に働かなくなると、毛嚢炎の原因である「ブドウ球菌」の侵入を防ぐことができなくなってしまいます。
日頃から全身の保湿ケアを行って、肌のバリア機能を正常に戻してあげましょう。お風呂上がりの毛穴が開いている状態にたっぷりとクリームを塗って、全身の保湿をかかさないようにしましょう。
汗をかいたらこまめに拭いて清潔にする
毛嚢炎はブドウ球菌の繁殖によって引き起こされますが、清潔な状態の肌を保つことでブドウ球菌の繁殖を抑えることができ、結果として毛嚢炎の予防にもつながります。
汗をこまめに拭いて、なるべく清潔な状態を心がけましょう。生理中であれば、生理ナプキンをこまめに取り換えることも大切です。なるべく蒸れない状態を作り、雑菌の繁殖を抑えましょう。
毛嚢炎ができてしまったときの対処方法は3つ
毛嚢炎ができてしまっても焦らずにしっかりと対処することで、自然と症状が治まることがあります。ここでは、3つの対処方法をご紹介します。
毛嚢炎部分をできるだけ清潔にする
毛嚢炎の原因は「ブドウ球菌」という雑菌です。このブドウ球菌の繁殖をなるべく抑えてあげることが必要になります。
そのため、まず行う対処方法としては毛嚢炎がある部位を清潔にすることです。清潔にすることで、肌のバリア機能を高めて自然治癒力に任せることができるからです。
具体的には、
- 生理中であればナプキンをこまめに取り替える
- 汗をかいたら清潔なタオルでこまめに拭き取る
などを試してみてください。症状が軽ければ、この皮膚を清潔にするという対処法だけで1週間ほどすれば症状が改善されるはずです。
市販薬を試してみる
毛嚢炎部位を清潔にしているのに、なかなか治らない・・・という人は、市販薬を試してみましょう。ドラッグストアでも簡単に購入することができるので、炎症を抑える塗り薬を試してみても良いでしょう。
ステロイドと抗生物質が入っているものが毛嚢炎に効きます。ただし、湿疹やただれのひどい場合や長期間の使用は望ましくないため、5~6日使用しても改善が見られなかった場合は医療機関を受診しましょう。
病院へ行って治療する
市販薬を試しても5~6日経ってもなかなか治らない場合は、病院へ行ってきちんと診断をしてもらいましょう。毛嚢炎だと思っていても、ニキビだったり、ほかの皮膚病だった場合は毛嚢炎用の市販薬で治ることはありません。
さぁ!病院へ行こう!と思っても、何科に行けばいいの?と悩んでしまいますよね。
ほとんどの部位の毛嚢炎は、皮膚科で診てもらえます。
婦人科に行く場合は、事前に電話で「毛嚢炎の症状があるが診てもらえるか」確認をとるのがベストです。
毛嚢炎を放っておくとどうなるの?
毛嚢炎ができたときに、放っておくのは絶対にやめましょう。
毛嚢炎が軽いものであれば、自然治癒力によって1週間ほどできれいに治ることがほとんどです。それが、長期間治らない場合は炎症している部分に膿がたまり、痛みが出てくるでしょう。それでも放置していると、その膿が固まってしまい、自然と体外へ排出されることができなくなります。
毛嚢炎はほかの毛穴へ感染することはありません。そのため、範囲が広がる場合に考えられることは、毛嚢炎を引き起こした原因が解決されていないということです。原因が解決されていないと、新たな毛嚢炎が次々とできてしまい治ることなく広範囲に広がってしまうのです。
まとめ
ムダ毛の自己処理や脱毛の施術によって引き起こされる毛嚢炎ですが、肌の保湿や清潔を心がける予防方法で未然に防ぐことができます。
毛嚢炎ができてしまっても焦らずにまずは肌を清潔な状態で保つことを心がけてみましょう。
毛嚢炎はニキビともよく似ているため、病名がはっきりした方が治療もスムーズです。
間違っても放っておくことだけは絶対にしないようにしましょう。